ストレスとは何か?
「ストレス」という用語は、頻繁に使われる日常語として世間に浸透しています。
ですから、この言葉は現代社会の様相を理解するうえでキーワードの一つといってもよいでしょう。
しかし、「ストレスとは何か?」とあらためて問われると、適切に答えるのは案外難しいのではないでしょうか?
「ストレス」という言葉を初めて使ったのは、ハンス・セリエというカナダの生理学者で、1935年のことです。
彼は、ストレスを「体外から加えられた要求に対する身体の非特異的な反応」と定義しました。
そして、反応を引き起こす刺激のことを「ストレッサー」、刺激に対して反応し、歪みを起こした状態のことを「ストレス」としました。
世間ではストレス、すなわち有害なものとして扱われているように思われますが、ストレスがいつも有害なわけではありません。
もし、私たちの気持ちをふるい立たせたり、挑戦しようという意欲を起こさせるような刺激がなかったら、私たちの生活は
退屈きわまりないものとなるでしょう。
私たちの適応能力にふさわしいストレスは、むしろ生活に張りを与え、生き甲斐を感じさせます。
しかし、その反面、私たちの適応能力をはるかに越えるような過剰なストレスは、さまざまな「体の病気」や「こころの病気」を引き起こします。
現代社会では、ストレスと上手に適切につきあうすべが求められていると思います。