メタボリック・シンドロームについて。

　最近、この言葉は新聞などでもよく取り上げられているのでご存じの方も多いと思います。 日本人の3人に１人は、メタボリックシンドロームの予備軍といわれています。

　メタボリックシンドロームには、ずばり防風通聖散（ぼうふうつうしょうさん）＋桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）です。 (ただし、防風通聖散には大黄や芒硝がふくまれていますので、下痢をしやすくなることも考えられます。 従って、本当は便秘がない人に良い処方は、防風通聖散＋桂枝茯苓丸－大黄－芒硝になります。）

　防風通聖散は、いわば漢方のやせ薬です。効果は医学的にも実証されています。 運動をした場合には、脂肪燃焼の効果を増強します。でも動かないで、この薬だけでやせようとするのは、さすがに無理です。

　桂枝茯苓丸は、メタボリックシンドロームで悪くなっている血液の流れの改善し、動脈硬化を予防します。 防風通聖散、桂枝茯苓丸はともに保険適用での処方が可能です。

　（メタボリックシンドロームの診断基準）
　ウエスト周囲径　男性 85cm以上　女性 90cm以上でいかのうち、いずれか２項目が当てはまる場合

1. ・血清脂質異常　トリグリセリド値　150mg/dL以上　HDLコレステロール値40mg/dL未満のいずれか、又は両方
2. ・血圧高値　最高（収縮期）血圧　130mmHg以上　最低（拡張期）血圧85mmHg以上のいずれか、又は両方
3. ・高血糖　空腹時血糖値　110mg/dL以上

　なお、メタボリックシンドロームは、うつや不眠などの心の病気とも関係していることがわかってきています。