ADHDは、決してまれな発達障害ではありません。 また、治らない発達障害でもありません。
実に児童の10人に1人が、ADHDの診断基準に当てはまるとも言われているのです。 学校の先生は、授業や集団行動の妨害が問題になることや、他の生徒に対する暴力行為などに神経を奪われがちで、衝動性・多動性が目立つADHDを特に問題視していますが、不注意優勢型のADHDは,気づかれにくい傾向にあるように思います。
また、ADHDは決してよくならない発達障害ではありません。
ADHDの最後のDの文字は、Disorderの略ですが、わたしは、Disorderを障害と訳すのは適切ではないと思います。
障害というと、固定されてしまっているかのようなイメージを受けます。
Disorderには、疾患、不調というより軽いイメージの意味もあるので、そちらの方が適切で実態をよりよく反映していると思います。
とはいえ、ADHDは、無策のままだと人生を暗転させかねません。
しかし、適切な治療さえすれば治療成果があがりやすい障害(不調?)なので、治療している側としても、やりがいがありむしろ楽しいぐらいです。
しかし、表面上の改善ではなく、薬物治療なしでも、本来の能力をコンスタントに発揮し、維持していけるようになるまで(本来の治療とはそうあるべきだと思います)には、長い根気強い治療の継続が必要です。
◆ ご参考ページ
⇒ ある読者のコメントについて、私が考え、気づいたこと
⇒ ADHDの治療をしていて感じること