
双極性障害を理解するには、気分の起伏(気分の波と表現している場合もあります)がキーワードになりますので、そのことについて、再度少し丁寧に説明してみましょう。
正常程度かあるいはそれ以上(そう状態)と抑うつ的気分(症状の重症度により程度はさまざま)との明瞭な落差があり、かつそれを反復している場合を気分の起伏があると私は定義しています。
勿論、いわゆる喜怒哀楽とは全く別のものです。
例えば、仕事で気分の乗る日と乗らないに日があり、乗らない日は苦痛を感じる、平日と休日の気分の差が大きい、一日のうちでも気分の良し悪しが急速に変化することがあるなどの場合は、正常な気分を保てているとは言えません。また、比較的調子のよい時期と、社会生活・日常生活に支障をきたすような気分の起伏が、周期的に繰り返すこともあります。
このような状態は、決して、誰にでもあることではありません。まして、次第に抑うつ気分が目立ってくるようなら、極めて危険です。
自分のことを客観視できる人はあまりいませんから、この程度のことは誰にでもあると安易に考えてはいけません。少しでも疑問を感じるなら腕の確かな精神科医に、一度見てもらったほうがよいかと思います。